テオフィリンの効果と副作用や作用機序!喫煙や禁忌の注意点も

テオフィリンとは、気管支を拡張し抗炎症作用のある胃薬です。

なので、テオフィリンの作用機序や喘息と喫煙によるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)への効果、徐放錠や血中濃度、副作用とカフェインなどの飲み合わせと禁忌でアミノフィリンなどについて知りたいのではないでしょうか。

それから、テオフィリンの市販薬についても気になりますよね。

そこで今回は、テオフィリンの効果と副作用や作用機序、また、喫煙や禁忌の注意点などについても詳しくお伝えしていきます。

スポンサーリンク

テオフィリンの効果と副作用は?作用機序についても

気管支に炎症が続いてしまう病気として気管支喘息があり、これは空気の通り道である気道が狭くなってしまうことが原因で、これによって呼吸時に音が鳴ったり咳をしたりするようになります。

こうした症状に効果的なテオフィリンは、炎症を抑える効果と気道を広げる効果(気管支拡張)の二つを併せ持った薬です。

ただし、テオフィリンは適切に治療するための安全域が狭いというデメリットがあり、テオフィリン製剤の有効血中薬物濃度は5~20ug/mLとされています。

なので、この域を超えると悪心・嘔吐、頭痛などの副作用が現れるようになりますが、薬の投与量が少なくて血液中の薬物濃度が低すぎても「喘息の症状を抑えることができない」ということになってしまいます。

また、効果に個人差があるのがテオフィリンの特徴で、例え同じ年齢の患者に同じ量の薬を投与しても血液中の薬物濃度の推移が異なるということがあり、注意が必要になります。

そこで、問題をできるだけ回避するために少しずつゆっくり溶け出すように工夫した薬として開発されたのがテオフィリンを使ったテオドールです。

テオフィリンの作用機序は?効能などについても

テオフィリンは有効域が狭い薬物なので、実際に使用されるときは胃や腸などの消化管で少しずつ溶け出すようにした製剤にされますが、このような製剤を徐放剤と言います。

そして、何も工夫していない状態であると、薬の服用後に濃度が高くなっていき、その後時間経過と共に薬の濃度が下がって効き目が弱くなっていくのですが、テオドールは有効域が狭いため、何も製剤的な工夫をしていない錠剤では適切な濃度を保つのが難しくなります。

そんな中、テオフィリンのような徐放錠であれば、薬がゆっくり溶け出すために血液中の薬物濃度を一定に保たせることができ、喘息などの症状を抑えながらも副作用を回避することができるのです。

具体的には、気管支喘息や喘息性の気管支炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、慢性気管支炎、肺気腫などの症状に有効とされており、COPDとは喫煙の煙を主とする有害物質を長期に吸入することで生じた肺の炎症性疾患のことなのですが、これは喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病の一種です。

そして、テオフィリンは一度服用して血液中の薬物濃度が最大になるのは5~7時間で、薬の濃度が半分になる半減期も成人では6~8時間、子供で3~4時間とされています。

それから、テオフィリンの錠剤を1日2回連続で使用したとき、6回目の使用から薬が治療域の濃度に安定するので、つまり、薬を継続して服用することにより、3日目から効果が現れるのがテオフィリンという薬なのです。

そのため、発作時など急を要するときに使うことはあまりありません。

副作用は?

テオフィリンは徐放剤にすることによって副作用をできるだけ回避することができていますが、全くないわけではなく、特に発熱しているときにテオフィリンを使用すると痙攣の副作用が多くなるため、熱があるときはテオフィリン以外の薬物を選択することになります。

そのほか、不眠、動悸、頭痛、腹痛、悪心、嘔吐、蛋白尿、尿酸血上昇、胸やけ、頻脈、だるさ、口や舌のしびれなどがあります。

特に、血中濃度が高くなると、テオフィリンは副作用が現れやすくなるため、他の薬よりも注意して使用する必要があります。

また、重篤な副作用として急性脳症や消化管の出血、肝機能障害、アナフィラキシーショックなども報告されているため、手足のしびれが起きたり、様子がおかしかったらできるだけ早く病院へ行くようにしてください。

スポンサーリンク

テオフィリンの禁忌などの注意点も

テオフィリンは、テオフィリンと同じキサンチン薬剤(cAMPという気管支を拡張させる物質が不活性化されるのを抑制する薬)に重篤な副作用が起きたことがある人は禁忌とされています。

そして、併用に注意が必要なものとしては他のキサンチン系薬剤であるアミノフィリン、プロキシフィリン、エフェドリン、麻黄などや、β刺激薬(心臓を活性化したり気管支を広げる薬)、麻酔薬、肝臓薬物代謝酵素CYP1A2を阻害する薬などがあり、併用するとテオフィリンの作用が強まり副作用が起きやすくなるそうなので、注意が必要です。

また、ロキソニンやボルタレン、バファリンなどの解熱鎮痛剤との飲み合わせへの注意や、カフェインと併用することでテオフィリンの体内での代謝を抑制する可能性などについても指摘がありますし、小児や高齢者への投与にも十分な注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、テオフィリンの効果と副作用や作用機序、また、喫煙や禁忌の注意点などについても詳しくお伝えしました。

テオフィリンは炎症を抑える効果と気道を広げる効果(気管支拡張)の二つを併せ持った薬で、副作用を回避するため徐放剤として開発されたテオドールなどがあり、気管支喘息やCOPDなどへ有効で、毎日継続して服用することで3日目くらいから効果が現れるなどといった特徴があるのでしたね。

そして、発熱している時に服用すると、痙攣が起きやすかったり、不眠や動悸、嘔吐などの諸症状や、重篤な副作用として急性脳症なども知られているため、こうした副作用が起きたことがある方は禁忌とされており、その他にも解熱鎮痛剤やカフェインとの併用、子供や高齢者への投与など、取り扱いには十分に注意が必要な薬なのでした。

なので、必要な時は病院を受診し、医師の処方に従って安全な範囲内で使ってくださいね。

スポンサーリンク

このページの先頭へ