チョコレート嚢胞手術の費用や入院期間!手術後の妊娠率や痛みも
チョコレート嚢胞とは、卵巣の内部に発生する子宮内膜症のことで、正式には卵巣チョコレート嚢胞といって、薬物療法もありますが、手術療法を行うこともあります。
なので、チョコレート嚢胞の手術の費用や保険、入院期間、手術の方法について知りたいのではないでしょうか。
それから、チョコレート嚢胞の手術後の妊娠率や痛みや仕事への復帰などについても気になりますよね。
そこで今回は、チョコレート嚢胞手術の費用や入院期間、また、手術後の妊娠率や痛みについても詳しくお伝えしていきます。
目次
チョコレート嚢胞手術の方法は?費用や入院期間も
チョコレート嚢胞は、卵巣の中に袋(嚢胞)ができ、その中に古くなった子宮内膜や月経血が溜まっていく病気です。
そして、卵巣内にできた子宮内膜は生理のたびに増加し、卵巣内に溜まるのですが、古くなっていくにつれて血液は酸化し、泥状に黒くなるので、見た目がチョコレートのようになることから「チョコレート嚢胞」と呼ばれています。
それから、チョコレート嚢胞は生理のたびに生理痛が悪化していくという特徴や、下腹部痛、腰痛、骨盤痛などが慢性的に現れたりといったように、様々な痛みが現れるのですが、他の部位にできる子宮内膜症より痛みが重いことが特徴です。
さらに、チョコレート嚢胞は卵巣が腫れ上がって排卵が起こりづらくなったり、子宮内膜症の炎症によって起こった癒着が卵管に波及すると、卵管がくっつき閉塞するので、受精を妨げたり、受精したとしても受精卵が子宮へと到達することができなくなります。
このように、チョコレート嚢胞は不妊の原因にもなるので、妊娠を希望している人でいつもとは違うひどい生理痛を感じているようであれば、チョコレート嚢胞を疑った方が良いでしょう。
それから、病院を受診し、チョコレート嚢胞だと診断され、軽度な場合は今後の悪化を防ぐための薬物療法を行うことが一般的です。
ですが、不妊や骨盤痛などの症状が重い場合は、手術の対象となりますし、検査の上でチョコレート嚢胞のサイズが5cm以上の場合も手術の必要があります。
そして、次のような2種類の手術を行います。
1、 腹腔鏡下手術
腹腔鏡と呼ばれる内視鏡で手術する方法で、お腹に小さな穴を開けて、内視鏡を挿入して行い、この方法でチョコレート嚢胞を摘出するそうです。
そして、後述する開腹手術に比べて痛みもなく、回復も早いというメリットがあるのですが、再発のリスクは高く、正常な卵巣の一部を同時に摘出されてしまうというデメリットがあります。
それから、入院期間は前日入院も合わせて5~7日ほどの場合が多いですが、摘出した病理組織の結果によっては変化することも多々あるそうです。
2、 開腹手術
チョコレート嚢胞は少しでも残っていると再発のリスクがあり、卵巣ガンを合併する可能性もあるので、卵巣が大きい場合や高齢の場合は開腹手術によって摘出することもあります。
そして、方法としては子宮全摘出、子宮付属器摘出術の2種類があり、前者は子宮をまるごと摘出する根治療法で再発のリスクはゼロになりますが、後者は卵巣と卵管だけを摘出する方法で、再発のリスクは多少なりとも残ります。
それから、入院期間は腹腔鏡手術に比べてやや長く、7~10日ほどになるのが一般的です。
こうしたチョコレート嚢胞の手術は、保険が適用となり、自己負担額は15~20万円ほどになるのが一般的です。
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チョコレート嚢胞の手術後の妊娠率や痛みについて
・ 手術後の痛みは?仕事にはいつ頃復帰できる?
チョコレート嚢胞の手術では、それぞれのケースにもよりますが、基本的には3~4日以内には普通に歩けるようになるそうです。
そして、痛みもほとんどないのですが、年齢によっては体力もかなり奪われますし、座っての仕事であっても1週間は安静にしてからの方が安全だそうです。
そのため、術後はできるだけ無理をせず、医師の指示に従って体の回復を優先して下さいね。
また、手術後の月経は、比較的周期が短めになることがほとんどで、生理による痛みがどれくらいかは個人差がありますが、チョコレート嚢胞によるものに比べればだいぶ楽になるそうです。
・ 手術後の妊娠率は?
チョコレート嚢胞の手術で、子宮全摘出手術を行わない限り、自然妊娠は可能なので、妊娠をのぞんでいる場合は全摘出手術をのぞく保存手術を行うそうです。
そして、もしも自然妊娠が難しかったとしても、体外受精という選択肢はあります。
それから、チョコレート嚢胞を含む子宮内膜症患者の3年以内の妊娠率は軽症の場合には約3~4割、重症となると1割未満とされているそうです。
そして、チョコレート嚢胞など、子宮内膜症が重症化した場合は、妊娠の確率は下がってしまいますが、治療を受ける際に妊娠の希望があることをきちんと伝え、先んじて体外受精を検討したり、薬物療法を選択したりといった方法で自分に合った治療を行うことも可能です。
それに、チョコレート嚢胞の症状を患ったままでいることも不妊を加速させる要因になるので、不安な場合はできるだけ早く病院を受診するようにしましょうね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、チョコレート嚢胞手術の費用や入院期間、また、手術後の妊娠率や痛みなどについても詳しくお伝えしました。
チョコレート嚢胞は、子宮内膜症の一種で、特に痛みが重いことが特徴で、薬物療法の他に手術療法を行う病気で、大きく分けて腹腔鏡手術と開腹手術の2種類があるので、入院期間や費用などについてお伝えしました。
そして、手術後は痛みもほとんどないとのことでしたが、体力はかなり低下するため、安静を第一にして、余裕をもって仕事に復帰した方が良く、生理は周期が短くなるという特徴がありましたね。
それから、子宮を全摘出しない限り、自然妊娠することは可能で、症状を患ったままである方が不妊を加速させる原因になりますし、癌の原因にもなるので、思い当たる方はできるだけ早く病院を受診し、改善へ向けて治療をすることをオススメします!
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