ニコチンの中毒症状と離脱症状と抜けるまでの時間!害や致死量も
タバコを吸うことって漠然と体に悪いとは分かっていても、具体的にニコチンが体にどのような害を及ぼすものか分かっていない方は多いのではないでしょうか?
なので、ニコチンとはそもそも何なのか、その効能やタールとの違い、半減期や依存性、致死量、発がん性や血管収縮など血圧に与える影響などについて知りたいですよね。
それから、ニコチンの中毒症状と依存症の症状で離脱症状と禁断症状が抜けるまでの時間、ニコチン中毒診断の検査方法などについても気になるのではないでしょうか。
そこで今回は、ニコチンの中毒症状と離脱症状と抜けるまでの時間、また害や致死量などについても詳しくお伝えしていきます。
目次
ニコチンが体に与える影響!発がん性物質を含む?
ニコチンとは、タバコに含まれる揮発性のあるアルカロイドの一種の有害物質であり、元はタバコの葉に含まれる天然由来の物質だそうです。
そして、よく間違えがちなのが「タール」ですが、これはタバコを吸った時にフィルターや歯を茶色く変色させてしまう粘着性のものでいわゆる「ヤニ」のことで、発がん性を含むのはタールであり、数百種類の発がん性物質が含まれていることから、タバコを吸い続けていると癌のリスクが高まると言われています。
一方で、ニコチンには発がん性がないのですが、神経に対する毒性が非常に高い猛毒で、中枢神経興奮・抑制作用・血管収縮・心拍数増加などを引き起こす作用があり、心拍数や血圧上昇、動脈硬化のリスクを高める可能性があります。
さらに、ニコチンは依存性物質で、ニコチン中毒といったようにタバコがやめたくてもやめられない主な原因は、ニコチンによるものが多いそうです。
なので、ニコチンそのものに発がん性はなくても、ニコチンによってタバコをやめられなくなるのであれば、ニコチンも間接的に癌のリスクを高めているということになりますね。
ニコチンによる効果・効能は?
ニコチンを始めタバコには害ばかりという印象ですが、実は一利もないわけではなく、ニコチンにはイライラした気分を鎮静化し、リラックスさせる効果があるという研究結果があるそうで、怒りなどのネガティブな感情の抑制にも効果があるそうなのです。
その他にも、ニコチンがアセチルコリンという神経伝達物質の受容体に結びつくよう働きかけることから、意欲を向上させるドーパミンや気分を安定させるセロトニンも増加し、結果的に前向きな気持ちになったり幸せな気持ちになるそうです。
こうした作用機序があることから、喫煙者にはアルツハイマー病やパーキンソン病の症例が少ないことも分かっており、ニコチンにはこれらの病気の予防効果もあるという研究結果が発表されています。
しかし、タバコはメリットとデメリットのバランスが非常に悪く、いくら病気の予防効果があるとはいっても、喫煙していない人に薦められるようなものではないことは確かです。
タバコを吸い続けると肺はどうなる?
誰でも一度は「非喫煙者の肺」「喫煙者の肺」の比較画像をご覧になったことがあるのではないでしょうか。
そして、禁煙外来を受診すると、まずは医師にこの画像を見せられて「1日も早く禁煙して、きれいな肺を取り戻しましょう」と言われますよね。
ただ、喫煙していた人が禁煙したところで、肺がどれくらい回復するかといったことについては、年齢や人の体の状態によって異なり、肺も年々機能が低下し、代謝機能も衰えてくるので、タバコを吸う前の状態に肺が完全に戻ることは少ないそうです。
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ニコチンの中毒症状や離脱症状とは?中毒診断についても
ニコチンには依存性があるとお伝えしましたが、中毒症状を起こすケースは急性と慢性の二通りがあり、乳幼児などが誤飲してしまって起きる症状が急性ニコチン中毒で、習慣的に吸うことで起きる症状を慢性ニコチン中毒と言うのだそうです。
急性ニコチン中毒とは?
紙巻きタバコには、1本につき10~30mgのニコチンが含まれており、消化管を介して吸収されたニコチンが交感神経系と副交感神経系に作用し、中毒症状が現れるとされています。
そして、過剰摂取による致死量については、乳幼児の場合10~20mg、成人の場合は40~60mgと言われているので、滅多にないことですが誤飲してしまった場合には、急性ニコチン中毒症状が起きてしまいますし、乳幼児であれば、ほんの数本で致死量に達してしまうので、くれぐれも注意するようにしましょう。
また、急性ニコチン中毒によって引き起こされる症状としては、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、めまいが起き、重度の場合は興奮や錯乱状態になり、呼吸筋麻痺が起きたり脈が遅くなり、けいれん発作・血圧低下、昏睡状態に陥るといったものが挙げられます。
慢性ニコチン中毒とは?
ニコチンは血管内に入ると脳内に到達し、ドーパミンという興奮物質を大量に放出するので、喫煙者は満足感を得ることがありますが、喫煙をすればするほどニコチンへの依存性が高まっていきます。
なので、習慣的にタバコを吸っていることで起きる中毒症状が慢性のニコチン中毒症状で、タバコをしばらく吸わないでいると離脱症状や禁断症状が起き、タバコへの欲求でイライラや不安、食欲増進、集中力低下などが起きます。
そして、落ち着きがなくなる、気持ちが沈む、すぐには眠れない、寝ても途中で起きてしまうといった症状が引き起こされて睡眠障害が起きます。
さらに悪化すると、離脱症状として不安でつぶされそうになり、汗が出たり異常行動を起こす方もまれにいるということで、麻薬による中毒と近い症状ですよね。
それから、ニコチンの血中半減期は30時間で主に尿から排出されるそうですが、体外に抜けるまでの時間はたった30時間という見方もできるので、禁煙にトライしてもだいたい2日目が終わる頃に辛くなってくるのも分かりますよね。
ニコチン中毒の診断方法は?
慢性のニコチン中毒かどうかは、ニコチン依存症スクリーニングテスト(TDS)という診断方法を用いて、その結果5点以上になると、呼気一酸化炭素濃度測定器を使った測定も行った上で慢性ニコチン中毒かどうかを診断します。
ちなみに、TDSの質問項目はこのようにWebで公開されているので、気になる方はまずはチェックしてみましょう。
一方、急性のニコチン中毒の場合は、採血をしてルーチン検査を行ったり、動脈血液ガス分析やX線検査なども行うとされています。
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ニコチンを排出してくれる食べ物がある?!
体に悪いと分かっていてもなかなかやめられないタバコですが、実はそんな喫煙者の方にオススメの、ニコチンを排出してくれる食べ物があるそうなのです。
・ ブロッコリー
ブロッコリーにはビタミンB5が豊富に含まれているので、体内器官が適切に働き、結果的にニコチンも適切に排出されるそうです。
しかも、ブロッコリーの新芽に含まれる「スルフォラファン」が抗酸化作用のあるNrf2を増加させ、血管の修復などを促すことでニコチンから肺を守ってくれるので、積極的に摂ると良いですね。
・ にんじん
免疫力を高めるビタミンA、ビタミンK、ビタミンCが豊富に含まれているため、ニコチンによる血流障害、神経障害、皮膚障害から体を守ってくれるので喫煙者にもオススメです。
・ アスパラガス
アスパラガスは摂取するとニコチンをメチルニコチンといって、無毒化する作用があるそうです。
・ セロリ
ニコチンを無毒化し、体内に蓄積された一酸化炭素を排出してくれるので、ニコチンにより機能低下した肺機能を高めてくれるそうです。
・ 水分
栄養分を積極的に摂取しても、水分が体内に十分にないとニコチンの排出ができないので、できるだけ意識して水分を摂るようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ニコチンの中毒症状と離脱症状と抜けるまでの時間、また害や致死量などについても詳しくお伝えしました。
ニコチンはタバコに含まれるアルカロイドの一種の有害物質で依存性が高く、発がん性があるのはタールですが、1本に20~30mgのニコチンが含まれており、乳幼児だとほんの数本で致死量に達し、誤飲による急性ニコチン中毒にも気をつける必要があるのでしたね。
そして、ニコチンが抜けるまでの時間は30時間ほどなので、慢性ニコチン中毒の方はこの時間が過ぎるとイライラしたり注意力が低下するといった症状が現れるので、TDSという診断方法を用いてチェックすることができ、その項目もお伝えしました。
それから、ニコチンは気分を鎮静化しリラックスさせる効果があるのですが、害の方が圧倒的に多く肺は元に戻ることはないので、できるだけ禁煙に努めながら、少しでもニコチンを排出する作用のある食べ物などを摂って体を健やかに保ちましょうね。
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