アレルギーの咳の症状と市販薬のオススメ!止まらない時の対処法も

アレルギーというと鼻水や皮膚炎などを思い出す方も多いかもしれませんが、咳や痰もアレルギーが原因となって引き起こされる症状のひとつです。

なお、アレルギーの病気で咳が出る代表的なものには子供もかかりやすい喘息がありますが、咳を引き起こす病気は喘息以外にもいくつかあります。

また、アレルギーの咳の原因もさまざまで、よくあるハウスダストなど以外にも冬の寒暖差などがきっかけで咳が出るといったケースもあるようです。

ですので、ただの咳だと思って病院で治療を受けずにいると、いつまでも咳が止まらないといったことにもなりかねません。

そこで、今回はまずアレルギーの咳を引き起こす病気について、その詳しい症状をご説明するとともに、アレルギーによる咳の治し方や対策の他、身近なものでできる咳の止め方、アレグラや漢方などオススメの咳を止める薬もご紹介していきます。

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アレルギーで起こる咳の症状とは?

気管支喘息・咳喘息

アレルギーで咳が出る場合に考えられる原因のひとつに気管支喘息や咳喘息があり、この2つは咳が出ること、アレルギーが発症の一因となることなどが共通していますが、それぞれ次のような違いがあります。

ちなみに、治療についてはどちらもステロイドの吸入・内服や気管支を広げる薬を使用します。

・気管支喘息

ホコリやタバコなどのアレルギーの引き金になる物質(アレルゲン)や、冷たい空気、運動などさまざまな刺激が原因となり、気道が狭くなったり、あるいは閉じてしまうことで起こります。

そして、気道が狭くなったことによって呼吸のたびにヒューヒューという特徴的な音がしたり、咳や痰などが増えたりして呼吸が苦しくなるといった症状が現れます。

なお、発作の程度によっては呼吸困難に陥って意識不明になってしまう場合もあるようです。

・咳喘息

風邪などの感染症や、アレルゲンが体内に入ったこと、気温の変化や運動、声を出すことなどの刺激が原因で、慢性的に咳が続く症状が現れます。

しかし、気管支喘息のように呼吸に異常が出ることはなく、痰のからまない乾いた咳が長期間に渡って続くことや、夜間から明け方に症状が強く出やすいのが特徴です。

また、咳喘息は人によっては数週間から数ヶ月で自然に治ってしまうこともありますが、咳喘息にかかった人のおよそ30%程度は気管支喘息を発症する可能性があります。

アトピー性咳嗽

アトピー性咳嗽(がいそう)とは、咳が数週間以上に渡って慢性的に続く病気で、夜間から明け方にかけて症状が出ることや、カビやハウスダストなどのアレルゲンなどによって咳が誘発されることなど、咳喘息に似た症状が現れます。

しかし、咳喘息が気管支に起こる病気であるのに対し、アトピー性咳嗽は気管に起こる病気である(=喘息の薬が効かない)ことや、アトピーの体質を持っている人に起こることなどの違いがあります。

そのため、家族や自分にアレルギー性の病気やアトピー性皮膚炎などがある人はこの病気を疑ったほうがいいでしょう。

また、閉経後の女性がこの病気にかかるケースが多いと言われているので、注意が必要です。

なお、治療は抗ヒスタミン薬やステロイドの吸入によって行います。

咽頭アレルギー

咽頭アレルギーは花粉症のようなアレルギー反応が喉(咽頭)に起こるもので、やはり咳が長引くことが特徴です。

なお、その他の症状や特徴としては、喘息と違って呼吸に特徴的な音がせず、またアトピー性咳嗽と違って咳とともに喉がイガイガ・チクチクするような感じや、かゆみ、痰が絡んでいるような不快感などが現れます。

また、治療については抗ヒスタミン薬が使われますが、喉の不快感などは抗ヒスタミン薬では消えないことがあり、そのような場合には漢方薬などが使用されることもあるようです。

アレルギー性鼻炎

意外かもしれませんが、鼻水が主な症状であるアレルギー性鼻炎も咳の症状を引き起こすことがあります。

それは、就寝時などの仰向けになった際にたまった鼻水が喉の方へと流れて痰が詰まっているような状態になる「後鼻漏(こうびろう)」という状態です。

そのため、アレルギー性鼻炎で朝起きたときにやたらと痰が出るという人は、この後鼻漏によってのどに鼻水が溜まっている可能性があります。

なお、鼻炎がひどい場合には、仰向けにならなくても日中に咳が出ることもあるようです。

そして、この場合は喉の病気ではありませんので、鼻炎の治療をしなければ咳を止めることはできません。

ですので、鼻から炎症を抑える薬を吸入したり、抗ヒスタミン薬を服用するといったアレルギー性鼻炎の治療が行われます。

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アレルギーの咳におすすめの市販薬はこれ!

咳を止める成分について知っておこう

アレルギーによる咳には、抗ヒスタミン薬が配合された咳止め薬がおすすめですが、咳止め薬にもいくつか種類がありますので、自分の症状に合ったものを使用するといいでしょう。

なお、咳止め薬を選ぶ時には、次のような成分をチェックしてみてください。

【咳を鎮める成分】

・ジヒドロコデインリン酸塩

・コデインリン酸水和物

脳の咳中枢という部分に直接働きかけることで咳を鎮める成分で、咳を止める効果は強いです。

しかし、長期に渡って使用していると依存してしまう危険性がある他、便秘や眠気といった副作用もあるため、注意が必要となります。

・ノスカピン

・デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物

これらも脳の咳中枢という部分に働きかけて咳を鎮めますが、ジヒドロコデインリン酸塩のような習慣性はなく、また副作用もほとんどありません。

症状別・オススメの市販薬はこれ!

さて、それでは実際のところはどのような咳止め薬がアレルギーによる咳には有効なのかをご紹介していきましょう。

ただし、ここに挙げた薬はどれもその時の咳を鎮めることはできても、症状の原因を改善するものではありませんので、咳が数週間に渡って続く場合や、その他の症状(痰に血が混ざるなど)がある場合には病院で専門医の診察を受けるようにしてください。

【気管支喘息・咳喘息】

・アスクロン(大正製薬)

・アスゲン散EX(アスゲン製薬)

これらの薬には、咳止めや抗ヒスタミン薬だけではなく、気管支を広げる薬も入っていますので、ヒューヒューというような呼吸音を伴った喘息の咳には特に有効だと言えるでしょう。

【アトピー性咳嗽・咽頭アレルギー】

・アネトンせき止めZ錠(武田薬品工業)(コデインリン酸塩水和物)

・エスエスブロン錠(エスエス製薬)(ジヒドロコデインリン酸塩)

・パブロンせき止め(大正製薬)(ノスカピン・ジヒドロコデインリン酸塩)

・コンタックせき止めST(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)(デキストロメトルファン臭化水素塩水和物)

これらの薬には咳止めとともに抗ヒスタミン薬も含まれていますので、アレルギーによる咳に有効だと考えられます。

ですので、咳止めの成分などを参考にしつつ、自分の状態に合ったものを選ぶようにしてください。

なお、迷ってしまった時には薬局やドラッグストアで薬剤師さんに自分の症状とともに相談することをおすすめします。

【アレルギー性鼻炎(後鼻漏による咳)】

・アレグラFX(久光製薬)

・アレジオン10(エスエス製薬)

アレルギー性鼻炎による咳ならば、咳止め以外にも原因となっている鼻水を止める薬を使用するほうが症状が抑えられる可能性があります。

ちなみに、アレグラやアレジオンは抗ヒスタミン薬として病院でも処方されており、アトピー性咳嗽の治療などに使われる場合もあるようです。

しかし、市販薬のアレグラFXやアレジオン10はあくまで「鼻炎薬」であり、効能・効果として「鼻水・鼻づまり・くしゃみ」しか挙げていませんので、自己判断で咳に対して使わないようにしましょう。

漢方薬でも咳が止まる?

漢方薬にも咳に効くものがいくつかあり、中にはアレルギーを原因とする症状にも効果が期待できるものがありますので、それらをご紹介していきましょう。

しかし、本来ならば漢方薬は専門の知識を持った医師などが、体質や生活習慣といった普段の状態から現在の体の状態なども総合的に診察した上で処方するものですので、あくまでも参考程度にとどめ、実際に使用してみる前には漢方薬に詳しい医師や薬局で相談することをおすすめします。

・麦門冬湯(ばくもんどうとう)

痰の少ない乾いた咳や、気管支炎・気管支喘息に使われます。

・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

気管支喘息・花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎などに使われます。

・麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

本来ならば風邪のひきはじめなどに使いますが、咽頭アレルギーによる喉の違和感に対して抗ヒスタミン薬が効かない場合に使われることがあります。

・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

激しい咳や気管支喘息などに使われ、気管支を広げて呼吸を楽にする効果が期待できます。

・柴苓湯(さいれいとう)

胃腸炎・むくみ・夏バテ・咳などに使われる薬ですが、喘息をはじめとしたアレルギーや免疫系が関わる病気にも使われます。

・小柴胡湯(しょうさいことう)

吐き気や食欲不振、長引く風邪などに使われますが、喘息などのアレルギー症状にも使われることがあります。

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咳が止まらない時の対処法

寝ている時の対処法

「夜、眠ろうとして横になると咳が出始めて止まらない」といった経験はありませんか?

なぜ、寝ようとすると咳が出てしまうのかというと、横になることで副交感神経が優位になったり、姿勢のために気管が狭くなったりすることが原因だと言われています。

また、アトピー性咳嗽などのように夜から明け方の時間帯に症状がひどくなる場合も多いというのも原因でしょう。

そして、このような場合の対処法はまず「寝る姿勢を変えてみる」ことです。

というのも、仰向けになっていると気道が狭くなってしまい、呼吸しづらくなるだけではなく、痰や鼻水などが喉の奥へと流れることでより咳を誘発してしまいます。

ですので、このような場合にはまず横を向いて寝るようにしてみてください。

また、どうしても仰向けの方がいいという場合には、上半身から枕にかけてバスタオルなどを敷いて傾斜を作り、少し上体を起こした姿勢で寝るのもおすすめです。

普段でもできる対処法

寝ている時以外にはどのような方法でアレルギーの咳に対処していけばいいのかを、いくつかのポイントに分けて具体的な方法をご紹介します。

・喉を潤す

乾燥は咳を引き起こしやすくしてしまいますので、喉を潤しておくことは大切です。

ですので、マスクや加湿器を活用して湿度を調節することは普段からの咳の対処法としては有効だと言えるでしょう。

しかし、止まらない咳を今止めたいというような場合には、少しずつ水分を摂ったり(冷たいものではなく、温かいものを摂ってください)、トローチを使うなどの対処法がおすすめです。

なお、トローチには咳止めの効果を持っているものもありますので、そういった製品を活用するといいでしょう。

また、身近な食材で咳を止める効果があるとされるものに、金柑やハチミツがあり、金柑の蜜煮や大根をはちみつに漬けた液を飲む大根アメなどが有名です。

ちなみに、ぬるま湯にハチミツを溶かしたものを飲むだけでも咳止めの効果があると言われていますので、咳が止まらない時にはぜひ試してみてはいかがでしょうか。

より根本的な対処法とは?

アレルギーによる咳の根本的な対処法は、やはり「アレルゲンと接触しない」ということが一番ですので、日頃から身の回りの掃除をこまめに行なったり、自分が何に対してアレルギーを持っているのかを知っておくことが大切です。

なお、自分が何のアレルギーなのかということは、アレルギー科や耳鼻咽喉科などでアレルギー検査を受けることでわかります。

ちなみに、具体的な検査内容は血液検査やパッチテスト、実際にアレルゲンと疑われる物質を体内に取り込んで反応を見る検査などがあり、医師が必要に応じて検査の種類を決定しますが、主にアレルギーを起こしやすい33項目についてを血液検査で調べた場合には、保険適用でおよそ5000円程度の費用がかかるようです。

また、病院の検査以外にも、いつ、どこで、どのような状況で咳が出たのかということを記録しておくことで、そのような状況をなるべく避けることができるようになり、また病院での診察や治療の時にも役立ちますので、普段からメモしておくのもいいかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか。

アレルギーによる咳、とひと口に言っても、喘息やアトピー性咳嗽、咽頭アレルギー、アレルギー性鼻炎などさまざまな病気によって咳が起こるということでしたね。

そして、そのような咳には抗ヒスタミン薬が配合された市販の咳止めやアレルギー性の病気に対応できる漢方薬などがおすすめということでした。

しかし、こういった薬は一時的に咳を止める効果のみで、根本的な治療にはなりませんので、専門医の診察やアレルギー検査を受けることでアレルギーの原因を突き止め、それを取り除くようにすることが大切です。

ですので、今回の記事を参考に咳を上手く抑えつつ、アレルギーにも上手に対処してみてくださいね。

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