アジソン病の原因と症状!色素沈着や爪の特徴と検査や治療法も!

アジソン病とは、糖分や塩分、カリウムなどを調節する役割を持ったホルモンが体内で不足してしまうことにより、食欲不振で食事がとれなくなったり、体重減少や低血糖、爪や皮膚への色素沈着などのさまざまな症状が現れる病気です。

しかし、アジソン病は症例が少ないことなどから国の難病指定を受けている病気で、その原因や治療法などの詳しい情報についてはあまり知られていません。

そのため、もし自分や周りの人がアジソン病にかかった場合、検査はどこで受ければいいのか、薬はあるのかなどが気になりますよね。

ですので、今回はアジソン病の原因・初期症状などをはじめ、検査や診断方法、治療薬や治療に適した診療科などの情報をご紹介していきます。

スポンサーリンク

アジソン病とはどんな病気?

■副腎の機能に異常が起こる

アジソン病は体の中の副腎という臓器の機能が低下し、そのために副腎から分泌されるホルモンが不足してしまう病気です。

さらに、ホルモン(=副腎皮質ホルモン)が不足することにより、体にさまざまな症状が起こります。

なお、同じく副腎の機能が低下してしまう病気に続発性副腎機能不全がありますが、これは脳の下垂体という部分が副腎に正しく指令を送れなくなることが原因で起こります。

一方、アジソン病は何らかの理由で副腎そのものがダメージを受けることが原因となって機能低下が起こるという別の病気です。

また、アジソン病はクローン病などと同じく、国の難病指定を受けています。

■副腎の働きを知っておこう

アジソン病についての詳しい説明に移る前に、アジソン病の症状などが理解しやすくなるように、副腎とそこから分泌されるホルモンの働きをご説明しておきましょう。

まず、副腎は腎臓のすぐ上にある小さな三角形をした臓器で、その役割は体内の環境を一定に保つためのさまざまなホルモンを分泌することです。

そして、副腎はその構造から外側の「皮質」と内側の「髄質」の2つに分けられ、それぞれで別のホルモンを分泌しています。

なお、副腎皮質ではストレスから体を守ったり、糖分の利用や血圧のコントロールにかかわるコルチゾールやコルチコステロン、塩分や水分、カリウムなどの調節を行うアルドステロン、男性ホルモンとも呼ばれるアンドロゲンといったホルモンが分泌されています。

また、副腎髄質ではストレスやそれに伴う体の反応をコントロールするアドレナリンとノルアドレナリンというホルモンが作られています。

ちなみに、アジソン病によって減少してしまうのは、主に副腎皮質から分泌される糖分の利用に関わるホルモン(まとめて糖質コルチコイドと呼ばれます)や、塩分やカリウムの利用に関わるホルモン(まとめて鉱質コルチコイドと呼ばれます)です。

スポンサーリンク

アジソン病の原因とは?

■原因の7割は不明、残りの3割は?

アジソン病において、原因がわかっているのは全体のおよそ3割程度にしか過ぎず、残りの7割ほどの原因はよくわかっていません。

ですが、アジソン病を引き起こすいくつかの要因は特定されていますので、それらについてをご紹介します。

1:自己免疫疾患が原因となる場合

アジソン病の原因で多いとされるもののひとつに、本来ならば病気と戦うはずの体の免疫システムが正常な細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患があります。

つまり、免疫システムが副腎を攻撃し、それによって副腎がダメージを受けることによって機能低下が起こり、アジソン病を引き起こすというわけです。

なお、この自己免疫疾患が原因となっている場合にはしばしば副腎以外のホルモンを分泌する臓器にも異常が起こっていることが多く、副甲状腺機能低下症や皮膚カンジダ症を伴うものは小児期からみられるようです。

また、このような原因によるアジソン病を特発性アジソン病と呼ぶことがあります。

2:感染症が原因となる場合

細菌やウイルスによる感染症によってアジソン病が起こる場合があり、結核菌への感染によるものが代表的です。

とはいえ、結核というと咳や発熱が特徴である肺結核の症状を思い浮かべる方がほとんどでしょう。

しかし、結核菌は肺から血液などに入り、肺以外の部分に感染することもあり、アジソン病を引き起こすのは副腎に感染が起こった場合です。

なお、結核菌に感染したことによるアジソン病は、40代から60代の人や、男性に比較的多く見られます。

また、結核菌以外にも真菌やHIVウイルスの感染によってアジソン病を発症する場合があり、近年はその数が増えているようです。

3:癌やその他の病気が原因となる場合

自己免疫疾患や感染症よりもまれな原因ですが、他の部分で発生した癌が転移することによってアジソン病が起こることもあります。

なお、副腎に癌が発生する副腎がんもありますが、100万人に2人程度にしか発生しない、非常にまれながんです。

また、他の病気では、先天的な脂質の代謝異常によって起こる副腎白質ジストロフィーや、ウォルマン病が原因となることもあります。

スポンサーリンク

アジソン病の症状は?

■初期に起こりやすい症状と重症化した場合の症状

アジソン病では副腎から分泌されるホルモンの減少によりさまざまな症状が現れますが、初期に起こりやすいのは脱力感、疲労感などで、また座ったり横になっている状態から起き上がるとめまいを感じること(起立性低血圧)があります。

また、多くの人に体重減少や脱水、筋肉痛や筋力低下、消化器の症状(食欲不振・下痢・吐き気・嘔吐)や低血糖・低血圧が現れる他、集中力の低下や不安感、寒さに弱くなるといった症状などが見られる場合もあります。

そして、治療せずにいた場合には、重度の腹痛や強い脱力感、低血圧や腎不全、ショック症状などを引き起こす副腎クリーゼという状態になってしまうことがあり、これは病院で適切な処置を受けなければ命に関わる状態です。

■髪や爪、皮膚の異常にも要注意!

先ほどご紹介した症状の他に、アジソン病では髪や爪、皮膚にも髪が抜けやすくなる、爪や皮膚に色素沈着が起こるなどの特徴的な症状が出ます。

特に、爪や皮膚における色素沈着は非常に特徴的で、爪全体が褐色に変化したり、黒い線が現れる他、日焼けのような黒い斑点が額や顔、唇の他、口の中や肩、性器の周りといった通常は日光には当たらない場所にも現れます。

また、腋毛や恥毛が抜けやすくなるという症状が見られることも多いようです。

スポンサーリンク

アジソン病の検査方法は?

■さまざまな検査によって副腎の機能を調べる

アジソン病の検査は、血液検査や尿検査の他、副腎から分泌されているホルモンの量を測定したり、副腎が機能しているかの検査や、CTなどによる画像診断で行われます。

ちなみに、副腎が機能しているかの検査は、副腎皮質を刺激するホルモンを注射して、それに対して副腎が正しく反応するかを調べるものです。

また、結核をはじめとした感染症の検査や、がん、自己免疫疾患といった病気の検査を行い、なぜ副腎が機能しなくなっているのかを詳しく検査していきます。

■病院の何科で診てもらえるの?

アジソン病のようなホルモンに関わる病気は、内分泌科や内分泌内科などが専門ですので、実際に治療や確定診断はこういった診療科の専門知識を持った医師が行うことになります。

また、近年では総合診療科や総合内科と呼ばれる、複数の診療科にまたがって患者の症状を総合的に診断してくれる診療科を設置している病院もあり、ホルモンに関わる病気をそちらで担当している場合もあるようです。

ですので、アジソン病が疑われる場合には、このような診療科を持っている病院へ行くのがよいでしょう。

しかし、内分泌系の診療科などはある程度規模の大きな病院にしか設置されていないことも多く、そのような病院は完全紹介制であったり、初診の場合には初診料が診察料とは別にかかってしまうという場合があります。

そのため、かかりつけの医師に症状を相談した上で、希望の病院への紹介状を書いてもらうという方法を検討することもおすすめします。

スポンサーリンク

アジソン病の治療法は?

■ホルモンを薬で補う治療

アジソン病の治療は、不足している副腎皮質ホルモンを症状の程度に合わせて飲み薬によって補充します。

なお、使われるのはプレドニゾロンやヒドロコルチゾン(コートリル)といった、いわゆるステロイド薬と呼ばれるもので、1日1~2回程度服用します。

ただし、これは副腎の機能を回復させるための治療ではありません(また、副腎の機能の回復は残念ながら期待できません)ので、薬の服用は生涯に渡って続いていくことになります。

しかし、薬を飲んでいればアジソン病の症状が出ることはありませんので、普通の人と変わらない生活を送ることが可能です。

(関連記事:プレドニゾロン錠の効果と副作用!強さや作用機序と離脱症状も!

■注意すべき「シックデイ」とは

アジソン病では、他の病気にかかったり大怪我などをしてしまった、いわゆる「シックデイ」と呼ばれる状況になった時には注意が必要です。

というのも、通常は病気や大怪我をはじめとした極度のストレスに対しては、そのストレスから体を守るためのホルモンが副腎で大量に作られて分泌されますが、アジソン病の人にはそれがありません。

そのため、心身に強いストレスがかかるような状況では、ショック症状などの深刻な症状や合併症が起こりやすくなったり、前の項でご紹介した副腎クリーゼという命に関わる症状に陥りやすくなるといったリスクがあります。

ですので、このような場合には普段飲んでいる薬を増量したり、嘔吐などで薬が飲めない場合には注射によって副腎皮質ホルモンを補充することで対処する必要があります。

まとめ

いかがでしたか。

アジソン病は、感染症や自己免疫疾患などによって副腎の機能が低下し、そのために体に必要なホルモンが不足してしまう病気です。

なお、主な症状には疲労感や脱力感、立ち上がろうとするとめまいが起こるといったものから、爪や唇などをはじめ皮膚が黒~褐色になったりする、体重減少、食欲不振や下痢、吐き気、嘔吐などといった消化器症状、不安感などの精神症状までさまざまなものがあります。

しかし、不足しているホルモンを薬で補充することによって、普通の人と変わりない生活を送ることができますので、気になる症状がある方はまずはかかりつけの医師に相談し、専門医がいる病院で検査を受けるようにしてみてください。

また、原因不明の疲れやすさなどに困っているという方も、ぜひ今回の記事を参考に、ご自分の体を見つめ直してあげてくださいね。

スポンサーリンク

このページの先頭へ