前立腺がんの放射線治療の費用や期間!後遺症や再発についても!
前立腺がんは、65歳以上の男性がかかりやすいがんで、早期発見ができれば手術治療などで対処が可能とされています。
ただし、前立腺がんで放射線治療を行う場合もあるので、その費用や期間、imrtなどについても知っておきたいのではないでしょうか?
また、前立腺がんで放射線治療を行った場合の後遺症や副作用、再発率についても気になりますよね。
そこで今回は、前立腺がんの放射線治療の費用や期間、また、後遺症や再発についても詳しくお伝えしていきます。
目次
前立腺がんの放射線治療について!費用や期間など
日本では、男性のがん発症率の中で大腸がんに次いで前立腺がんが4番目に高い病気で、今後さらに増加する傾向にあるとされています。
そして、前立腺がんの治療法の1つとして放射線治療がありますが、やり方には、体の外から前立腺に向けて放射線を照射する外部放射線治療と、放射線を発する物質を前立腺の中に埋め込んで内部から照射する組織内照射の2種類があり、どちらかを行うそうです。
1) 外照射とIMRT
外照射は前立腺がんのほぼすべての病気において行われる治療法で、週5日、1日1回照射しますが、全部で何回照射するかは施設によって異なり、平均的には13~15回ほど外照射を行い、2.5週間の期間を要するようです。
そして、治療費は1回につき10~15万円かかります。
また、前立腺がんの放射線治療では、次の項目でお伝えする通り、副作用が生じることがあります。
ただ、近年では強度変調放射線治療(imrt)と言って、専用のコンピューターを用いて照射の形状を変化させたビームを複数用いて、腫瘍の形に適した放射線治療を行う新しい手法を取るようになりました。
これによって腫瘍に放射線を集中し、周囲の正常組織に照射を減らすことができるため、副作用を増加させることなく、放射線を腫瘍に照射することが可能になっています。
そして、外照射と同様に外来で治療を行うことが一般的で、期間は6~8週間かかり、前立腺がんの状態によって36回か39回の放射線治療を行い、39回の場合は3割の自己負担割合で42万円かかるそうです。
2) 内照射
内照射は小さな線源を前立腺内に留置するため、小線源療法とも言って、現在一般的なのはヨウ素125を用い、永久的に前立腺に留置する方法で、体への負担が少なく、早期前立腺がんに対して有効な治療法です。
そして、この治療法では2泊3日の入院治療をしてから、治療後のケアも含めて全治療期間は3週間かかるそうです。
それから、費用は入院日数にもよりますが保険適用で40万円ほどかかります。
前立腺がんの放射線治療で後遺症や再発率は?
前立腺がんの放射線治療の副作用は比較的軽い方ですが、以下のような副作用が生じることがあります。
1) 放射線治療中に起こる副作用
・頻尿、排尿痛、排尿困難
治療開始後2週間程度でトイレの回数が増えたり、排尿時に軽い痛みを感じたりし、多くの場合、症状は軽度ですが、個人差があります。
そして、きわめて稀ですが、一時的に前立腺が腫れて、尿が出なくなることがあるので、その場合はすぐに病院へ行くようにしましょう。
・排便回数の増加、下痢など
放射線により、直腸の一部が刺激を受け、排便の回数が増えることがあり、また、括約筋がゆるんだ感じになることもあります。
・直腸、肛門の炎症、出血
直腸の一部が刺激を受けるため、痔のような症状が起こることがあります。
このほかに、倦怠感、食欲不振、白血球低下が考えられますが、放射線を当てる範囲が狭いため、ほとんどの方には支障がなく、白血球が低下したとしても軽度だそうです。
2) 治療後数ヶ月から数年後に起こる副作用
・直腸の炎症、出血など
放射線治療の晩期障害として、数ヶ月から数年後に、直腸から出血や血便が見られることがありますが、万一起こっても大部分は出血はわずかで、様子を見ていればやがて改善するそうです。
ただし、症状がひどい時には薬や内視鏡で治療することがあり、直腸の炎症がひどいと、直腸潰瘍を起こすことがありますが、きわめて稀だそうです。
また、括約筋のしまりが悪くなり、便を我慢しにくくなったり、勃起障害など、性的機能が低下することもあります。
それから、放射線治療のみを受けた場合、治療後のPSA最低値から2ng/ml以上の上昇が見られると、再発の疑いがあるとされています。
そして、がんが前立腺にとどまり他の臓器への転移がなければ、放射線治療後の10年生存率は80%が期待できるとされていて、前立腺から離れた臓器に転移している場合は5年生存率が45%なので、残りの方は再発するリスクがあるということになります。
こうしたことから、前立腺がんはいかに早期発見、早期治療するかが大きな鍵となります。
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がん治療後のQOLって?
近年では、前立腺がんに限らず、がんと診断された時から、QOL(Quality of life : 生活の質)の改善を目的として、がんに伴う体と心のさまざまな苦痛に対する症状を和らげたり、患者と家族が自分らしく過ごすための緩和ケアが浸透し始めています。
そして、緩和ケアは、痛みや吐き気、食欲不振などの身体的な症状だけでなく、気分の落ち込みや心のつらさを軽くするため、精神的なカウンセリングまで幅広く対応してくれるそうです。
そこで、前立腺がんでは性的機能の低下や、排尿障害や骨折など、物理的な痛みも伴うことが多いため、不安なこと、わからないことなど、自身の思いは積極的に担当医に伝えるようにし、納得した上で治療を受けるようにしていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、前立腺がんの放射線治療の費用や期間、後遺症や再発についても詳しくお伝えしました。
まず、前立腺がんの放射線治療では外照射とIMRT、内照射があり、外来の場合は3~8週間、入院の場合は3日間ほどかけて治療を行い、費用も保険適用で40万近くかかるのでしたね。
また、IMRTの場合は排尿障害や排便障害、血尿などの副作用が軽減される手法ですが、副作用が現れる場合は治療直後のものから、数年経って現れるものなどがあり、他のがんに比べれば軽いものの、生活の質を下げるものが現れるのでした。
そのため、病院ではQOL保障のための緩和ケアなども行っているので積極的に受けた方が良く、副作用などで苦しまないためにも、前立腺がんの場合は早期発見・早期治療ができるようにすることが大切です。
そして、最近では、遺伝子検査で様々な疾患の遺伝的な発症リスクを調べられるようになってきたので、気になる方は早めに行うことをおすすめします。
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