前立腺がんへの抗がん剤の効果と副作用!余命や効かない事例も!

画像1前立腺がんは特に65歳以上の高齢の男性に多いがんなのですが、比較的進行がゆっくりで、寿命に影響を及ぼさないと考えられています。

ただ、稀に進行が速く進行する前立腺がんもあるので、ステージによっては抗がん剤を投与した治療を行いますが、その効果や副作用や、新薬についてはどうなっているのでしょうか。

また、前立腺がんの抗がん剤治療で効かない事例や、余命や死亡率はどれくらいあるのでしょうか。

そこで今回は、前立腺がんへの抗がん剤の効果と副作用や、余命や効かない事例についても詳しくお伝えしていきます。

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前立腺がんへの抗がん剤の効果と副作用!

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前立腺がんは進行が遅いという性質があり、ホルモン療法の効果が高いため、抗がん剤を使う化学療法はほとんど行うことはありませんでした。

しかし、近年では前立腺がんに対する新たな選択肢として、抗がん剤の新薬が次々と登場し、エンザルタミド、アビラテロン、カバジタキセルの3種類のうちアビラテロンとカバジタキセルが現在日本でも使用されています。

・アビラテロンとカバジタキセルの効果

一般的に、前立腺がんは男性ホルモン(アンドロゲン)により増殖するため、外科的去勢や薬物により男性ホルモンを抑制するホルモン療法が施行されますが、アンドロゲン分泌が抑制されているのに病気が進行する状態をCRPCと呼びます。

そして、早期のCRPCでは、副腎由来のアンドロゲンや前立腺がん細胞自身で産生されるアンドロゲンにより腫瘍が悪性化するため、さらにアンドロゲンを低下させることが重要となります。

そこで、アビラテロンを用いると、早期のCRPCに対して、精巣・副腎・前立腺がん組織のすべてでアンドロゲン合成を抑制することにより、予後の改善が期待できるそうです。

その一方で、CRPCにおける細胞増殖には、アンドロゲン依存性だけでなく、アンドロゲン非依存性の経路も存在するため、いずれホルモン療法によるアンドロゲン除去に抵抗性が生じてきます。

そのような場合、従来は化学療法であるドセタキセルが標準治療でしたが、ドセタキセル後の治療選択肢として、カバジタキセルが承認され、使用され始めています。

前立腺がんの化学療法の副作用は?余命や効かない事例も

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抗がん剤を使う化学療法のデメリットは、やはり副作用ですが、アビラテロンには現在のところ特異的な副作用は見られていないそうです。

一方、ドセタキセルの後発薬として使われているカバジタキセルには、骨髄機能抑制による白血球の減少が多いとされていています。

というのも、抗がん剤はがんの増殖スピードの速さに着目し、活発に細胞分裂しているところを標的として作用します。

しかし、血液を作る「骨髄」も常に細胞分裂している組織なので、抗がん剤の影響を受けやすく、骨髄の機能である血液を作る働きを低下させてしまうのです。

その結果、白血球や血小板が減ってしまい、特に白血球は体内に入った異物と戦う役割があるので、減ることで感染症にかかりやすくなるとされています。

また、全身の倦怠感や食欲不振、脱毛や貧血などの副作用の報告も多いそうです。

前立腺がんの抗がん剤治療で効かない事例や余命

前立腺がんの抗がん剤療法は、誰にでも効果が現れるわけではなく、約4割の人に効き、残りの約6割の人には効かないと言われていますが、延命期間は長くて2年以上の人もいる一方で、一般的には3ヶ月くらいとされています。

そのため、化学療法を行っても余命が短く、副作用が重い傾向にあることから、80代後半の前立腺がんの患者の中には、化学療法は基本的に避ける傾向が見られます。

このように化学療法は一定期間の延命や痛みの緩和は期待できますが、前立腺がんを根本的に治すことはできないので、医師とよく相談して治療法を選択するようにしていきましょう。

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前立腺がんのステージ別の5年生存率は?

前立腺がんでもホルモン療法が効かなくなると、化学療法を選択することになりますが、それより以前にがんを発見し、適切な治療を行えば治療後の生存率は比較的高いとされています。

前立腺がんのステージ別の5年生存率は?

ステージI…85.6%

ステージII…89.0%

ステージIII…83.9%

ステージIV…43.6%

このように、平均して77.7%もの方が5年後に生存している可能性があり、他のがんよりも治療しやすいがんということが言えます。

そのため、人間ドックなどではオプションとしてPSA検査を選ぶようにし、定期的にチェックすることで早めの対策に取りかかれるようにした方が良いでしょう。

また、最近では遺伝的ながんの発症リスクを調べるため、遺伝子検査を行い、前立腺がんに限らず様々な病気を発症する可能性を知ることができるようになってきているので、気になる方にはこうした検査もオススメです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、前立腺がんへの抗がん剤の効果と副作用や、余命や効かない事例についても詳しくお伝えしました。

まず、前立腺がんはほとんどの場合がホルモン療法などで治すことができるため、化学療法を使用されることはなかったのですが、新薬としてアビラテロンとカバジタキセルの2種類も使われるようになっているのでしたね。

そして、前立腺がんによって増殖するアンドロゲンを抑制し、延命の効果がありますが、余命は通常1~3ヶ月で、副作用も骨髄機能抑制による様々な重い症状があり辛いので、80歳以上の方は化学療法を避ける傾向にあるそうです。

ただ、前立腺がんは早期の発見ができれば予後が非常に良いがんなので、人間ドックなどで定期的に検査を行い、気になる方は遺伝的な発症リスクも調べるため、遺伝子検査を行うこともオススメです。
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