肝臓がんの転移先ごとの症状や治療法!生存率や余命についても!

画像1肝臓がんは、日本でも発症率、死亡率共にとても高いがんですが、症状が現れにくいため、気づいた時にはある程度がんが進行したり、転移していることがあります。

そのため、肝臓がんの転移先ごとの症状や治療法について知りたいのではないでしょうか?

また、肝臓がんの転移先によっては、生存率や余命はどれくらいになるのかも気になりますよね。

そこで今回は、肝臓がんの転移先ごとの症状や治療法、また、生存率や余命についても詳しくお伝えしていきます。

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肝臓がんはどこに転移する?

肝臓がんは、肝臓から発生する原発性肝臓がんと、他の臓器で発生したがんが転移してくる転移性肝臓がんの2種類があり、肝臓は多くの血液が集まる臓器なので、がん細胞も集まりやすく、他の臓器からのがんが転移しやすいとされています。

そして、肝臓から発生した肝臓がんは、肝臓の細胞に起こる肝細胞がんの症例が最も多く、これはB型肝炎やC型肝炎との関連が深いとされ、肝炎ウイルスに感染したことによって肝硬変などが起こり、そこからがんへと進行してしまうそうです。

それから、肝臓がんの初期はほとんど自覚症状が現れず、具体的な症状が出てきた頃にはがんが進行していることが多いのですが、同じ臓器内で転移が起こりやすく肝臓内の太い血管を移動して、肝臓のあちこちにがん細胞が転移します。

ただ、他の部位のがんに比べると、肝臓がんは他臓器に遠隔転移を起こすことが少ないとされていて、よほど進行してがん細胞が血管まで到達してしまうと、肝臓内の門脈という血管から血流に乗ってがん細胞が全身に移動します。

そして、よくある転移先としては、肺と骨、腎臓や副腎、胃、脾臓などがあり、ほかのがんではよく転移が見られるリンパ節には、よほどがんが進行しない限りは転移しないという特徴があるそうです。

肝臓がんの転移先ごとの症状と治療法!余命や生存率も

Pregnant Hospital Patient with IV

1) 肝臓内転移

肝臓のあちこちにがん細胞が発生すると、急激に肝機能が落ち、黄疸や腹水が出ることがあり、全身の倦怠感や手足のむくみなどの症状が現れるそうです。

そして、治療では肝臓を切除する外科的治療に加え、腫瘍の中にエタノールを注入する治療、ラジオ波で腫瘍組織を凝固して腫瘍を焼き切る治療法、カテーテルを介して動脈に抗がん剤を注入する手法、放射線療法などがあります。

2) 肺転移

門脈から血流に乗って肝臓を出たがん細胞は、一度心臓へ戻り、その後に全身へ送り出され、気管支や肺に入った血流によって、肺にがん細胞が到達して転移を起こすので、この場合は1週間以上咳が続いたり、血痰が出るなどの症状が現れます。

そして、治療法としては体の状態によって内視鏡を使った手術を行うか、全身化学療法を選び、腫瘍の大きさによって放射線治療などで対処しますが、改善が見られず生活に支障が出る場合は酸素吸入器などで症状を緩和させる方法も取ります。

3) 骨転移

肝臓がんが進行し遠隔転移が起こる場合、中程度の頻度で骨転移が見られ、骨への転移はCTによる画像診断で比較的簡単に見つけることができるそうです。

そして、胸推や腰推、骨盤などの体感部分の骨に転移するので、これらに腫瘍があるとしびれや麻痺といった症状が現れ、少しの衝撃で骨折を起こした場合でも骨転移が疑われるそうです。

それから、治療は抗がん剤などの化学療法で行っていきますが、それでも効果がなかった場合に放射線治療で対応し、少ない照射量で10~15回ほどのがん細胞に照射していくそうです。

そして、骨転移は再発しやすいので、定期的に通院しながら医師の診断を受けますが、比較的余命が長いとされた場合には、腫瘍を切除し人工骨に置き換える処置を取ることもあるそうです。

肝臓がんで転移先ごとの生存率や余命!

肝臓がんのステージは、がんのT因子(がんの個数・大きさ・広がり)とN因子(リンパ節転移)とM因子(遠隔臓器への転移状況)によって決まり、これら3要素を組み合わせて次のようにI、II、III、IVA(4A)、IVB(4B)の5段階に分類されます。

★T因子(がんの進行度)

1:がんが1個である

2:がんの直径が2cm以下である

3:がんが血管浸潤していない(がんが肝臓内の血管や胆管に入り込むこと)

T1:1,2,3の全てに合致する

T2:1,2,3のうち2項目に合致する

T3:1,2,3のうち1項目が合致する

T4:1,2,3の3項目全てに合致しない

★N因子(リンパ節転移の有無)

N0:リンパ節転移を認めない

N1:リンパ節転移を認める

★M因子(肝がんの遠隔臓器への転移の有無)

M0:遠隔転移を認めない

M1:遠隔転移を認める

そして、これらを組み合わせて次の画像の通り、ステージI~IVB(4B)に分けられて宣告されるそうです。

画像4

さらに、ステージ毎の5年実測生存率が次の通りです。

●ステージI…5年実測生存率 49.8%

●ステージII…5年実測生存率 37.7%

●ステージIII…5年実測生存率 17.7%

●ステージIV…5年実測生存率 7.7%

なので、肝臓内にとどまっていて、リンパ節に転移していなければ、ステージI~IVAの中となり、詳しい5年実測生存率はがんの進行度合いによりますが、肺転移や骨転移など遠隔転移をした時点でステージIVBとなり、生存率は7.7%以下となります。

つまり、肝臓がんは遠隔転移をしている場合、非常に予後が悪く、余命も数ヶ月と宣告されることがあり、治療をしても再発するリスクが高いのです。

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肝臓がんの再発率は?

顔図5

他の臓器への転移を起こし、予後が非常に悪い肝細胞がんは、そのほとんどがB型かC型肝炎ウイルスの持続感染者なので、がんの手術治療を行っても、肝炎ウイルスが体内に残り、1年以内に30%が再発し、5年以内に70%が再発するとされています。

そのため、肝臓がんの手術治療の後は再発予防のために抗ウイルス治療を行うこともできるのですが、副作用が非常に重く、治療費も外来治療で1ヶ月7万円以上かかり、負担が大きいとされています。

その上、肝炎ウイルスを撃退するには不十分な治療とされていて、つらい副作用を乗り越えても肝臓がんを再発するリスクは残るので、肝臓がんはそもそも肝炎の持続感染を起こさないようにすることがいかに大切かが分かると思います。

また、肝炎の持続感染予防も含め、最近では、遺伝子検査によって様々な病気の発症リスクをトータルで調べ、自分自身の体が持っている病気のなりやすさを把握することができるようになってきています。

なので、気になる方はこうした遺伝子検査なども行うこともオススメしています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、肝臓がんの転移先ごとの症状や治療法、また、生存率や余命についても詳しくお伝えしました。

まず、肝臓がんの転移は肝内、肺転移、骨転移が代表的で、肺転移や骨転移だと咳や血痰、骨のしびれや骨折をするのでした。

そして、治療には、肺の場合は基本的に内視鏡手術か化学療法を選択し、骨転移も化学療法と放射線療法が一般的で、症状に応じて骨を切除し人工骨を導入することもあるのでしたね。

また、肝臓がんのステージはがんの進行度、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無で分けられますが、遠隔転移をしていると末期となり、生存率も7.7%しかなく余命は数ヶ月とのことでした。

このように、肝臓がんは再発し転移するので、予防ができていないと非常に予後が悪くなるため、最近では遺伝子検査で、肝臓がんだけでなく様々な病気の発症リスクを自分の体がどれくらい抱えているかを把握できる検査もあるので、気になる方は命に関わることなので、やってみてはいかがでしょうか。
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