子宮頸がんの腺癌の場合の症状や完治の確率!ステージについても
子宮頸がんは20代から30代の若い女性に多い子宮がんで、初期症状に自覚症状がほとんど現れないので、気づいた時にはがんが進行してしまっていることがあります。
そして、子宮頸がんの中でもタイプが分かれ、腺癌の場合だとどのような症状が現れ、がんのステージや、完治の確率や、余命はどれくらいあるのかなど知っておきたいのではないでしょうか?
また、子宮頸がんの腺癌ではどのような手術をするのか治療方法についても知っておきたいですよね。
そこで今回は、子宮頸がんの腺癌の場合の症状や完治の確率や、ステージについても詳しくお伝えしていきます。
目次
子宮頸がんの腺癌の場合の症状は?ステージについても
子宮頸がんは、他のがんと違って原因がハッキリしており、その99%は性交渉によって感染するHPVウイルスだとされています。
そのため、性交渉経験のある人なら誰もが感染するリスクがあり、性交渉の経験がなかったとしても喫煙習慣や、食生活の乱れで肥満傾向にある人などは子宮頸がんを発症する可能性があるとされています。
そして、世界的に見ても乳がんの次に発症率、死亡率が多いがんなので、十分に注意が必要で、早期に発見できれば予後の良いがんとして、各自治体や企業などでは定期的な子宮頸がん検診を推奨していますよね。
ただ、初期の症状にほぼ自覚症状が現れないため、定期的な検診を受診していない場合、気づかぬうちにがんが進行してしまう可能性があるそうです。
子宮頸がんで腺癌とは?症状は?
子宮頸がんには、大きく分けて次の通り3つのタイプがあります。
・扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん
子宮頸部表面を覆う扁平上皮という細胞部分に発生するがんです。
・腺癌(せんがん)
子宮頸部の粘液を分泌する腺細胞というところに生じるがんです。
・腺扁平上皮(せんへんぺいじょうひ)がん
腺扁平上皮がんは、扁平上皮がんと、腺癌の混合型です。
そして、発症率は扁平上皮がんの方が多く、60-70%が扁平上皮がんで、15-20%が腺癌、残りが腺扁平上皮がんという研究結果があります。
それから、子宮頸がんの予後は、これらのうちどのタイプかによっても変わってきて、一般的に扁平上皮がんよりも腺癌の方が悪性度は高く、完治しにくい傾向にあるそうです。
また、扁平上皮がんは子宮頸部表面に発生して視診でも発見しやすいのですが、腺癌は発見がしづらいため、子宮頸がん検診でも見逃されてしまうことがあり、早期発見が難しいということになります。
そして、症状としては生理以外の不正出血があり、特に性交時に出る出血が多いそうです。
その他にも、おりものが黄色くなったり、鼻につく臭いがしたり、さらに進行した場合は排尿困難や下腹部痛、腰痛などが起こるとされています。
そのため、子宮頸がん検診か、こうした自覚症状が現れた場合は、細胞をこすりとって細胞の異常を調べる細胞診や、コルポ診といって膣内部を拡大鏡で診て疑いのある部位を確認します。
その上で、疑いのある部位を円錐切除術で切り取って、1週間ほどかけて精密検査を行い、がんのステージを確認して、医師から次のようにステージを告げられ、がんの性質や進度を確かめるとされています。
子宮頸がんで腺癌の場合のステージは?
子宮頸がんは、腺癌であってもその他のがんでも、ステージ0~IVまでの5段階に分けられ、さらに細かく分類されて宣告されるのですが、ステージごとの症状は次の通りとなっています。
・0期
がんが最も浅い粘膜内にとどまっている
・Ia期
がんが筋層にまで深く進行しているが、深さが5mm以内である
・Ib期
がんが筋層にまで深く進行しており、深さが5mmを超えている
・II期
がんが子宮頸部を越えて広がっているが、膣部の3分の1を越えていない、または骨盤壁にまで広がっていない
・IIIa期
がんが子宮頸部を越えて広がっており、膣部の3分の1を越えている
・IIIb期
がんの子宮頸部を越えて広がっており、骨盤壁にまで広がっている
・IV期
がんが膀胱・直腸・肺・肝臓などの他の臓器や組織に転移している
子宮頸がんで腺癌の場合の完治の確率は?余命も
子宮頸がんの腺癌の場合は、ステージ0、もしくはIa期で発見されれば円錐切除術で治療を終えることができる時があり、予後も比較的良いとされています。
ただ、ステージIb期以降となると、円錐切除術で疑いのある部位を取り除いても、がんが体内に残ることがあり、再発する可能性が非常に高いそうです。
そして、子宮頸がん全体での完治の確率、つまり余命を示す5年生存率はステージによって上記の画像のようになっていますが、これは腺癌かそれ以外のがんかによっても変動し、比較的腺癌の場合は、予後が悪いとされています。
子宮頸がんの腺癌の場合の手術は?
子宮頸がんの治療法では、子宮を摘出する手術や、放射線療法が中心となりますが扁平上皮がんの場合や、腺癌でも早期の発見ができれば、子宮を残して、疑いのある部位のみを切除する円錐切除術で対応ができるそうです。
ただし、腺癌の場合は、円錐切除術でがんを取り切ったと思っても、20%の確率で癌が残存するという報告があり、子宮の温存には慎重を要し、患者が治療後の出産を望むかどうかなど意向を聞いた上で判断することが多いそうです。
それから、がんのステージがIIIb期以降になっている場合は、子宮を温存することはまず難しく、子宮・膣とともに下部結腸、直腸、膀胱などの切除をする必要があり、これを骨盤内臓全摘術と言います。
そして、この手術の後は人工肛門や尿路を再建する回腸導管や、膣を再建する造膣術などの手術も必要になり、長期間のリハビリも行うので、患者への負担がかなり大きくなります。
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(関連記事:子宮頸がんが再発する確率や余命!症状や治療法についても!)
子宮頸がんを予防するには?
このように、子宮頸がんの中でも腺癌の場合は早期発見が難しく、また見つかったとしてもステージの進度によっては予後がかなり悪いので、生存率も低くなり、出産も望めなくなるので、とてもつらいですよね。
ただ、それでも子宮頸がんの検診は2年に1度、定期的に受けた方が良く、自治体などの助成も適用されて無料になったり、有料の場合でも3,000円~5,000円程度で済むそうなので、積極的に受けて自分の体の状態を把握するようにしましょう。
また、子宮頸がんの原因は、HPVウイルスとされていますが、感染したとしてもほとんどの場合は体の免疫力で自然治癒が可能とされています。
一方で、HPVウイルスの感染自体は珍しいことではなく、性交渉の経験がある人であればほとんどの人が1度は感染しているそうです。
なので、HPVウイルスは感染していることを前提として、その後に体から無事に排除できるよう、免疫力の高い体作りをすることが子宮頸がんの予防になるのではないでしょうか。
特に、喫煙と子宮頸がんの相関関係は非常に高いとされているので、タバコを吸っている方は、できるだけ早く禁煙を心がけることを強くオススメします。
そして、栄養バランスの良い食事をとり、良質な睡眠をとるという当たり前の生活習慣を身につけることで、子宮頸がんにも負けない体を作っていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、子宮頸がんの腺癌の場合の症状や完治の確率や、ステージについても詳しくお伝えしました。
まず、子宮頸がんで腺癌の場合は検診で発見がしづらく、気づいた時には不正出血などの症状が現れていることが多く、既にがんが進行している可能性が高いのでした。
そして、子宮頸がんの腺癌では、精密検査をした上でがんのステージを大きく分けて5段階にして申告し、0期やIa期であれば円錐切除術で疑いのある部位を切り取るとのことでした。
ただ、Ib期では円錐切除術でもがんが残り、III期以降は子宮を残すことも難しくなり、生存率も他のタイプの子宮頸がんに比べて低いのでしたね。
それから、子宮頸がんの腺癌の予防は非常にしづらいのですが、検診は定期的に受けて自分の体の状態をよく知り、HPVウイルスに感染しても自然治癒できる丈夫な体づくりをすると良いとのことでした!
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