子宮頸がんは、世界的に見ても乳がんの次に発症率の高い子宮がんですが、検診で早期発見ができれば予後の良い病気とされています。

そして、子宮頸がんの検診を行うと、再検査となった場合に精密検査をするのですが、その方法やかかる時間、また、痛みはないのか出血はあるのかといったことを知っておきたいですよね。

また、子宮頸がんの精密検査でかかる費用や、結果が出るまでの期間についても気になるのではないでしょうか？

そこで今回は、子宮頸がんの精密検査の費用と痛みや出血の有無、また、かかる時間について詳しくお伝えしていきます。

子宮頸がんの精密検査の内容は？痛みや出血の有無についても

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス（以下、HPV）というウイルスの感染が原因となり、性交渉を感染経路として男性から女性にうつるので、性交渉の経験のある人であれば誰でも子宮頸がんを発症するリスクがあるそうです。

ただし、HPVウイルスへの感染自体は珍しくなく、ほとんどの場合は気づかないうちに自然に治癒するのですが、排除できなかった場合には子宮頸がんを発症します。

そして、子宮頸がんの場合は早期発見ができれば完治する確率がかなり高まるので、自治体などでは2年に1度の子宮頸がんの検診を推奨していますよね。

そのため、こうした子宮頸がん検診では、自治体の助成が適用できて無料で受けられたり、有料でも数千円で受診ができるので、2年に1度の定期検診を習慣化するようにしましょう。

子宮頸がん検診はどんな内容？

子宮頸がんは、子宮の入り口に当たる「頸部」と呼ばれる部位を病巣にして広がるがんなので、この子宮頸部および膣の表面をやわらかいブラシのようなヘラを使って細胞をこすり取り、その細胞を検査する細胞診を始めに行います。

そして、この検診に痛みはなく、多少の出血があってもこの場合の心配はないそうです。

それから、この検診は5分程で終わり、10日～1ヶ月ほど待つと、次のような結果が自宅まで郵送されてくるのですが、結果が次のように5つのクラスに分かれて記載されています。

・クラスI…正常細胞の陰性

・クラスII…異常な細胞があるが良性の陰性

・クラスIII…悪性を疑うが判定はできない擬陽性

・クラスIIIa…悪性を少し疑い軽度・中程度異形成を想定

・クラスIIIb…悪性をかなり疑い、高度異形成を想定

・クラスIV…上皮内がんを想定する

・クラスV…浸透がんを想定し、がんが骨盤など内部まで深く進行している

ただ、この時、気をつけなければならないのは、細胞診の検診結果における「クラス」はがんの「ステージ」とは同一ではないため、あくまで細胞ががんか正常かを調べた上の結果に過ぎないという点です。

そして、この結果で、クラスIII以上の場合は、さらにがんの性質や進度を調べるために「再検査が必要」と診断され、さらに詳しい検査を行って調べていきます。

子宮頸がんの精密検査の内容！痛みや出血はある？

子宮頸がん検診の精密検査にも2段階があり、まず、コルポ診といって、膣拡大鏡（コルポスコープ）と呼ばれる専用の器具を膣内に挿入し、子宮頸部や膣壁を拡大して、炎症や腫瘍ができていないかを観察します。

そして、これは子宮頸部や膣壁を6～40倍に拡大して観察することができるので、肉眼では視認できない粘膜や血管の変化を発見することができ、子宮頸部に発生するがんを、早期に発見することができるとされています。

このように、コルポ診では、器具を挿入して内部を観察するだけなので、この時点で出血することはまずないそうです。

ただ、コルポ診で疑わしいところがあると、組織の一部をけずり取って検査を行う「組織診」という次の検査を行う必要があり、疑いのある部位を切り取って調べる方法をとります。

そして、子宮頸がんのできやすい所には細かな血管があり、その血管が太くなったり折れ曲がったりしているので、組織診で切り取ると、多少の出血があることが多いそうです。

それから、ほとんどの場合は自然に止血する程度の出血ですが、出血が多い場合は医師から注意があり、あまりに多いと出血部位を縫合するなど止血処置を受ける必要がある時もありますが、痛みはほとんどないので安心して下さいね。

子宮頸がんの精密検査でかかる費用や結果が出るまでの期間は？

コルポ診の結果では、問題のある部位を視認できるので、子宮の出口のいろいろな変化や異常について、検診の後すぐに医師からわかりやすく説明があり、この時点で異常がない場合は、経過観察という診断結果になります。

ただ、組織診へと進んだ場合は、切り取った組織を観察して診断する必要があるので、平均して1週間ほどかかり、その頃にもう一度病院を予約して、医師から結果を聞くことになります。

それから、費用としてはどちらも1万円を超えることはないと思いますので、細胞診の結果を聞いて落ち込むことなく、1日も早くきちんと精密検査を行って、結果を明らかにすると良いでしょう。

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（関連記事：子宮頸がんの発症率や年齢！自分の発症リスクを知る方法！）

子宮頸がんの精密検査で異常なしの確率は？

子宮頸がんで精密検査と聞くと、身構えてしまう方が多いと思いますが、再検査になる人が100人いるとしたら、その中でがんの発症を申告される方は6人ほどなんだそうです。

そして、それ以外の方でも、細胞の異形成を診断される方はいますが、軽度や中度の異形成であれば、自然消滅することも多く、経過観察をすれば良いとされています。

なので、子宮頸がんの精密検査を行ったからといって、助からないということではないですし、万が一がんが見つかったとしても、がんの性質や進度によっては、手術をすれば完治する例も少なくありません。

このように、子宮頸がんは早期発見ができれば予後の良い病気なので、検診を通じて自分の体をよく調べてもらい、万一の場合に備えることが大切と言えますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

今回は、子宮頸がんの精密検査の費用と痛みや出血の有無、また、かかる時間について詳しくお伝えしました。

まず、子宮頸がん検診では細胞診でクラスIII以上になった方で再検査を促された場合に精密検査を行うのですが、2段階あり、コルポ診といって拡大鏡で頸部や子宮内部を詳しく調べ、視認できる異常な部位がないかを調べて、その場で結果が出るのでした。

そして、疑いのある部位が見つかったら、組織診で切り取り、1週間ほどかけて結果が出て、がんか異形成かを申告されるのですが、がんを発症するのは再検査を100人受けたら6人ほどで、ほとんどの場合は異形成が消滅するか異常なしなのでしたね。

それから、子宮頸がんの精密検査は痛みや出血もほとんどなく、費用も1万円を超えることはない上に、早期発見ができれば予後の良い病気なので、きちんと受診し、日頃から自分自身の身体の状態をよく知って、対処できるようにしましょう。
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