子宮頸がんのウイルスの潜伏期間や感染経路!陽性の時の対応は?

子宮頸がんは、性交経験のある20代から30代の女性に特に多いとされていて、ウイルスが原因の子宮のがんで、注意が必要な病気の1つです。

そのため、子宮頸がんのウイルスの感染経路や検査方法や、種類や型、そして潜伏期間が気になるのではないでしょうか?

また、子宮頸がんの検査で陽性だった時の対応や、性交経験が関わるため男性のウイルス検査は必要なのかといったことも知りたいのではないでしょうか。

そこで今回は、子宮頸がんのウイルスの潜伏期間や感染経路、また、陽性の時の対応について詳しくお伝えしていきます。

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子宮頸がんのウイルスの潜伏期間や感染経路は?男性の検査も

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子宮は中が空洞の西洋梨のような形をしていて、球形に近い形の体部が胎児の宿る部分で、下方に続く部分は細長く、その先が膣へと突出しています。

そして、この子宮の入り口にあたるところが頸部と呼ばれ、子宮頸がんは頸部を病巣にすることから子宮頸がんと言われています。

また、婦人科のがんで最も多いのは子宮のがんで、子宮頸がんはこのうちの1つとされますが、子宮の入り口である子宮頸部から発生するので、普段の婦人科の診察でも発見しやすいとされています。

それから、子宮頸がんは他のがんと違って原因がハッキリとしているという特徴があり、その原因の多くはヒトパピローマウイルス(以下、HPV)というウイルスの感染が関連するとされていて、主に性交渉を感染経路としています。

そのため、女性がHPVに感染し子宮頸がん検診で異常が認められたら、性交渉の相手の男性がウイルスを持っていることを疑いたくなりますが、今のところ男性用のHPVの検査はないそうです。

ただ、このHPV感染そのものは珍しいものではなく、感染しても多くの場合は自然治癒するとされているのですが、ウイルスが排除されずに感染が続くと子宮頸がんが発生する原因となってしまいます。

しかも、HPVの潜伏期間は非常に長く、平均10年と言われていて、大体5年~10年の間に発症しますが、15年かかる女性もいるので人それぞれです。

そして、子宮頸がんに限らず、がんは遺伝的要因が70%で環境要因が30%とされているので、遺伝的要因で発症リスクを持った人が、ウイルスに感染し、喫煙習慣があったり、不規則な生活習慣を送るといった環境要因で子宮頸がんを発症することになります。

そのため、子宮頸がんは、検査でHPV感染の有無を確かめたとしても、発症するとは限らないですし、また、発症するのがいつになるのかといったことは分からないとされています。

ただし、前述の通り普段の婦人科検診でも発見がしやすいがんで、早期に発見して治療を行えば完治も難しくないとされています。

そのため、定期的に子宮頸がんの検査を受けることで、できるだけ早く発見して適切な処置を行えるようにすることが大切ですね。

子宮頸がんの検査が陽性の時の対応は?

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各自治体では、20歳以上の女性に対し、子宮がん検診を実施していて、自治体の発行する広報誌やホームページ、市町村の役所・役場の窓口などで確認できるので、ぜひチェックしてみましょう。

そのほか、診療所や病院の産婦人科や、人間ドックなどでも子宮がん検診を受けることができます。

そして、自治体による検診は、無料か一部負担など、費用は各自治体で異なりますが、産婦人科などで受ける場合は全額自己負担で、それでも費用は5,000円から8,000円程度で行えるそうです。

子宮頸がんの検査が陽性の時の対応は?

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子宮癌検診では、問診、内診、そして細胞診の3点で行われ、細胞診は軟らかいヘラのようなものを膣内に挿入し、子宮頸部の表面を軽くなでるようにして細胞を採取し、2週間程度で検査結果が出るとされています。

そして、検査結果は、日本では従来から、クラスIからVまでに分類する「日母分類」という独自の判定で行われていて、それぞれ次の通りの状態を示しています。

・クラスI…正常細胞の陰性

・クラスII…異常な細胞があるが良性の陰性

・クラスIII…悪性を疑うが判定はできない擬陽性

・クラスIIIa…悪性を少し疑い軽度・中程度異形成を想定

・クラスIIIb…悪性をかなり疑い、高度異形成を想定

・クラスIV…上皮内がんを想定する

・クラスV…浸透がんを想定し、がんが骨盤など内部まで深く進行している

このように細胞診の結果を見て、クラスIIIだとがんのステージIIIと間違え、かなり進んだがんと勘違いしてショックを受ける人もいますが、子宮頸がんの程度はこの後さらに精密検査を行って分かるものなので、注意が必要です。

そして、クラスI、IIの場合、心配はない陰性ですが、クラスIII以降は要精密検査となることが多く、一般に検診を受けた人の95%は陰性で、5%が疑陽性または陽性となるそうです。

それから、陽性のうちの20%が異形成で、さらにそのうちの10分の1か半数ぐらいが子宮頸がんと診断されるので、大部分は自然に消える可能性のある異形成か良性の異常なのです。

ただし、残念ながら子宮癌検診で陽性の反応が出て、要精密検査とされた場合は、次の2つの検査を行うそうです。

・コルポ診

コルポスコープと呼ばれる器具を膣内に挿入し、食用のお酢とほぼ同じである3%の酢酸を塗った後、子宮頸部粘膜表面を拡大して観察する診断法を行います。

これによって、肉眼では見ることのできない病変の広がりや前がん病変や、初期がんを発見することができるそうです。

・組織診

コルポ診で異常が疑われた部分の組織を数ミリ取って調べる方法で、病変がどのくらいの深さまで及んでいるかを知ることができます。

そして、検査時の痛みはほとんどなく、出血もわずかで済むとされています。

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(関連記事:子宮頸がんの発症率や年齢!自分の発症リスクを知る方法!

子宮頸がんは早期発見が鍵!!

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このように検査を行って、ごく初期の子宮頸がんが見つかった場合は、子宮頸部の異常な組織を取り除く「円錐切除術」のみで治療が可能で、手術時間は5~10分程度で済み、2泊3日の入院で行われることが多いようです。

そして、この場合は子宮を摘出しないため、術後も妊娠・出産が可能ですが、頸部が切除されるために子宮口が広がりやすくなり、流産の危険性がわずかですが高くなるそうです。

ただ、子宮頸がんが進行していて、子宮の深部まで病巣が及んでいる場合は、子宮や膀胱などを全摘出する手術など、より積極的な治療が必要になり、再発の確率も高まって命の危険へと及ぶ場合もあります。

そして、現在では、女性に起こるがんとしては世界的に見て、乳がんについで発症率、死亡率ともに第2位とされていて、現在日本では年間12,000人が子宮頸がんを発症し、約3,500人が死亡しています。

それから、死亡に至らない場合でも子宮の摘出により妊娠や出産ができなくなるケースも多いのです。

子宮頸がんは特別な人が感染するわけではなく、性交渉の経験のある人なら誰でも発症するリスクがありますが、早期発見さえできれば予後の良いがんではあるので、定期的な検査を受けるなどして、早めの対処を行えるようにするのが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、子宮頸がんのウイルスの潜伏期間や感染経路、また、陽性の時の対応について詳しくお伝えしました。

まず、子宮頸がんは性交渉が感染経路となって感染するHPVウイルスが原因の子宮がんですが、潜伏期間は平均10年と非常に長く、男性のHPV検査もないので相手を特定するのは難しいのでしたね。

そして、子宮がん検診では細胞診などで調べると、クラスIII以降が陽性と出ますが、がんの進行具合は精密検査を行う必要があり、コルポ診などで詳細を調べるのでしたね。

こうして、早期発見ができれば手術も簡単で再発のリスクも少なく、妊娠や出産も問題ないのですが、それ以降になると再発の確率が上がり死亡率も高くなるのでしたね。

子宮頸がんは早期発見が鍵のがんで、早く対処すれば予後の良い病気ですが、そもそもの遺伝的要因なども含めて自分が発症するリスクを知り、未病対策すると尚良いのではないでしょうか。
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